平成27年4月1日付で佐賀大学医学部臓器相関情報講座の教授に就任いたしました。
 講座の名称と専門領域(歯科)が結びつきにくいと思われる方が多いかもしれません。約20年前、口腔癌を培養中に口腔癌患者にC型肝炎ウイルスの感染者が多いことに偶然気づきました。その後、前癌病変「扁平苔癬」がC型肝炎ウイルスと関連していることを発見し、疫学コホート調査を続ける一方で、インターフェロン治療に関する研究も行うようになりました。その中で、学会や論文には最新の医療情報が発表されても、肝心の患者や住民は医療知識に乏しいという現実に直面しました。その実態を把握するための調査や解決策が評価され、肝がん撲滅運動にも従事してきました。
 このような背景から、本講座では2つの大きな柱を基に研究を推し進めます。1つめを「臓器相関」、2つめを「情報」という言葉に集約し、それを講座の名称としました。口腔を軸とした多面的な臓器相関と医療情報の在り方について研究を行う予定です。今後ともよろしくお願いいたします。

臓器相関情報講座 教授 長尾 由実子